広い世界を知ることの意味
いかがでしょうか。著者の個人的な印象としては、現在すでに日本でアクチュアリーとして活躍している人の中で海外勤務に興味を持つ人はかなり多いですが、実際に海外で働きたいという強い希望を持ちそれを行動に移す人はそこまで多くありません。
見方を変えれば、だからこそ特に若い人は手を挙げればチャンスを得られる可能性が高いとも言えます。
また、日本アクチュアリー会は定期的に主に新正会員を対象とした海外研修を開催しています。
実際に海外のアクチュアリー会の大会に出席したり、現地のアクチュアリーたちと交流する機会にもなりますので、興味のある人はどんどん手を挙げてみることをお薦めします。
実は著者も、アクチュアリーとしての第一歩を踏み出したころはそこまで現実的に海外で仕事をすることを視野にいれていたわけではありませんでした。
おそらく「ちょっと英語もしゃべれて、『海外経験あります』って言えればかっこいいな」ぐらいの気持ちだったと思います。
数年後に出張の機会を得て初めてアメリカでSOAの大会に参加した頃から、その軽い「興味」は「危機感」に近いものに変わっていきました。
「このままではまずい、日本でのうのうと仕事していたら20年後におれの居場所はない」
-ちょっと極端かもしれませんが、これくらいのインパクトを受けたことが、日本の試験と並行してアメリカの試験の受験を決意したこと、そして海外勤務を本気で目指したきっかけだったと思っています。
もちろん人の感じ方はそれぞれで一人一人海外経験から何を感じるかは違ってくると思います。
しかし違う環境や物事を経験して初めて自分の立ち位置を相対化し、今後のキャリアの指針とすることができるという意味では皆さんの望むキャリアの実現に必ず何かしら役に立つということはお約束できると思います。