海外にいる会員の交流やサポートを行うアンバサダー
日本にもアンバサダーがいる
日本にもアンバサダーがいる
こんにちは、Duke(デューク)です。
アクチュアリーはよく「Small World」と言われています。
資格保有者の数自体が非常に少なく、また専門的な知識や業界内の情報の共有のために組織を超えてアクチュアリー同士で連携するケースが少なくありません。また、転職の際も知り合いからの紹介を受けて組織を移るケースが多いなど、アクチュアリーの交流は盛んに行われています。
これは海外でも同じで、セミナー等で人が集まると同じ大学のアクチュアリー学科出身同士で集まったり、転職を重ねるうちに「元同僚」のネットワークが増えていったりと、気が付けばほとんどが“知り合い”か“知り合いの知り合い”になっているような印象です。
では、日本に住んでいて海外のアクチュアリー試験を受験している人や、海外の正会員資格を持っている人はどのように情報交換や会員同士の交流を行っているのでしょうか?
交流をサポートするアンバサダー制度
著者が知る限りアメリカ・イギリス・オーストラリアのアクチュアリー会、特にアメリカのSOAはアンバサダー制度を積極的に展開しています。
これは会員のいる各国にアンバサダーと呼ばれる代表会員を置き、その人を通じて各種連絡や情報交換、その国の会員同士の親睦や場合により試験受験者のサポートをする場合などもあります。
2019年現在の日本ではSOAのアンバサダーが置かれています。(著者の記憶では以前はイギリスのアクチュアリー会もアンバサダーに相当する会員を置いていましたが、現在は確認できません。)
著者も日本で働いていた時代にSOAのアンバサダーが主催する会員同士の親睦会に参加していました。当時は参加者は主に日本で働く外国のSOA会員でしたが、その中に日本人のSOA会員、またSOA試験受験中の人も交じってお互いに親睦を深めていた印象があります。
現在、アンバサダー制度についてのWebsiteはこちら:
一方、日本のアクチュアリー会には著者が確認する限り日本国外に対する同様の制度はありません。ちなみに、10年ほど前までは日本のアクチュアリー試験を日本国外でも実施していました(たしか中国)が、現在は日本国内のみの実施となっています。
アクチュアリーこぼれ話
じつは、国によってアクチュアリーの協会への登録の仕方も違っています。
日本の場合、アクチュアリー会に登録されている会社に勤務するアクチュアリー、というように協会―会社―会員という形で登録が行われます。各種連絡や試験の結果通知など、ほとんどのことが所属する会社を通じて行われるのが特徴です。
ちなみに、登録されていない会社に勤めていたり、学生だったり、国外で勤務している場合等は「個人会員」という扱いとなり、協会と会員が直接やりとりをする形となります。
著者が登録しているアメリカのSOAとオーストラリアのアクチュアリー協会は、全ての会員が直接的に協会-会員という形で登録されています。もちろん勤務している会社を情報として登録することはできますが、連絡や試験関連のやりとりも多くは個人と協会が直接行います。
どちらであっても通常仕事をする際には全く影響はしませんが、アクチュアリーを「会社ありき」の視点でみるか、「個人ありき」の視点でみるか、国による価値観やカルチャーの違いがでていて興味深いですね。