日本の職場を海外の人たちから見ると

日本の長時間労働の文化

学生から質問が出た中では、「日本では長時間労働が日常的だと聞いて心配している」という声が目立ちました。家族との時間を大切にするオーストラリアは日本の社員が毎日夜遅くまで働くという話にかなりの違和感と不安を感じていることが見て取れました。

以下は著者が会場で学生に伝えたことであり多分に私見が混じりますが、一つの大きな要因は「仕事の完成度に対する要求の高さ」ではないかと推測しています。

特に観光やサービス業でよく言われることですが、日本のサービスや顧客対応などのクオリティの高さは世界的にも知られています。

海外に一定期間以上住んだことのある日本人なら誰でも一度は日本と比較して海外の“お世辞にも褒められたものではないサービス”にため息をついた経験があるのではないかと思います。

それは日本の素晴らしい一面であると著者自身も感じていますが、裏を返していえば「日本で仕事をするときはその高いクオリティを常に求められる」ということになります。

 

ある程度雑な仕事でよければすぐに完成させられることがほとんどです。

例えば情報を集めたレポートをつくるときでも、Web検索で引っかかった資料や情報をそのままコピー&ペーストすればあっという間にある程度のものはできるでしょう。一方で、もしクオリティの高いレポートを作るためにはその何倍も時間をかけて丹念に調べていく必要がでてきます。その情報が正しいのか間違いなのか、検証していく作業も必要でしょう。誤字脱字のチェックもするでしょう。

このように、例えていえば70%のクオリティの仕事にかかる時間が1とすると、それを90%に仕上げようと思うと3-4の時間、さらにそれを99%までクオリティを高めようと思うと10以上の時間がかかってくることは想像に難くないのではないでしょうか。

 

このようにクオリティ要求が高いことで一般的に一つの成果を生み出すための時間が長くかかりがちである、というところが日本の現状を形作る一つの要素かなと考えています。

 

そして残念ながら生産性という観点からは、同じ10の時間を使うならもしかしたら70%の成果物を10個積み重ねたほうが99%の成果物を1個仕上げるより生産性が高くみられてしまうのかもしれませんね。(70%×10=7>99%×1=0.99)

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